大草原の小さな家を夢みていたのだが…

1.ログハウスに憧れる



私が若かった頃、「ライスカレー」というTVドラマがあった。

倉本聰の脚本の青年群像劇で毎週面白くて、熱心に観ていた。

主人公の一人、中井貴一が演じていた役が、ログビルダーだった。

丸太小屋とはこんな風に建てるのかと興味を惹かれた。

そしてこんな我が家があるといいな、と思い始めた。

「大草原の小さな家」。丸太小屋。

マイホームならログハウスだと決めた。



2.建てるなら、せめて木の感触を残したい



30代も大方通り過ぎようする頃、やっとマイホームを考えられるようになった。

青春時代の夢も失くしてしまったわけではなかったが、当時の事情が許さなかった。

仕方なく、ハウスメーカーで新築することにした。

住宅にはいつも時代の最先端の技術が使われる。

躯体も軽量鉄骨構造、RC構造と堅牢なものが多かったが、私は何故か木造構造に魅かれたし、こだわった。

そして丸太小屋、ログハウスとはいかなかったが、木造の2×4構造にした。

木の香りと感触にこだわった。



3.手を入れながら、いとおしむように住みたい



この家も新築してから30年が過ぎようとしている。

いろいろなことがあった。

楽しいことも、うれしいことも、そしてつらいこともありました。

いろいろ経年変化で不具合も出てきた。

しかし、マイ・スイート・ホームだ。

家族の歴史を守るためにもリホームしながら、長く住み続けたい。

この家で一番好きなリヴィングの出窓から入るさわやかな風を感じながら、そう思った。